Vol.1

高橋邦弘氏による蕎麦打ち
箱根写真美術館で遠藤氏の富士山写真をバックに幻想的なテルミン演奏

 2002年10月、めでたくわが箱根写真美術館お披露目の会をすることとなりました。来年のオープン前にお世話になった方々をお招きっしました。翁蕎麦グループの高橋邦弘氏の御厚意による蕎麦会で最高の封切りをさせていただきました。

そして、半年後のオープニングにむけての準備に忙しかった日々。建築が完成したものの、作品はもちろん、入館チケット、宣伝用のDM、インテリア用品にいたるまで必要なものの多いこと!初めてのことで分からぬ事も多いもの、それもまた面白いことですが、正直大変の一言。

そんな折、ある素晴らしい御縁からやの雪さん、赤城忠治氏によるテルミンコンサートを聴きに行くくことになりました。

 偶然みた映画『テルミン』でその不思議な楽器を知った直後に、日本で指折りのテルミン奏者、やの雪さんのライヴに誘われたのでした。あまりのタイミングに驚きながらも、生であの音が聴けるのかと興奮していました。実際、鳥肌のたつような素晴らしい演奏でした。

 電波に敏感なテルミン。箱根の美術館のような電波障害の少ない空間での演奏はきっともっと素晴らしいに違いないと確信しました。そしてやのさんに衣裳を提供していた友人に頼み、無謀にも箱根写真美術館オープニングでのライブをお願いしに伺ったのです。やのさんと赤城さんは、とても気さくで魅力的な方達でした。

そして私の無理なお願いを快く受けて下さったのです。

 2002年4月7日、オープニングパーティー。

美術館の中には遠藤桂 富士山写真展『美の静寂』を開催し、ガーデンでは加賀谷治男氏(銀座クライスラー)によるオリジナルカクテルが振る舞われました。

 そしてテルミンの演奏。箱根強羅の住宅地に忽然と姿をあらわす美術館の中で、私は感無量としかいいようのない感動にただただ浸っていました。素晴らしい音楽と美味しいカクテル、箱根という自然の中に浮かんでるような幻想的な時間が流れていきました。

多くの方に御来館頂き、多くの方々のご協力とご支援、素晴らしい縁により、こうして開館できたことを忘れずにいたいと思いました。

これから、この卵(美術館のこと。卵型なので)から、一体なにが生まれてくるか、生み出すことができるか、楽しみでしかたありません。

そして、もう一年が経とうとしています。

文・写真:詠

箱根写真美術館が出来上がるまでの様子

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