冬。
もう17時にはまっくら。
観光で来てるお客様は皆、お食事前の温泉にのんびり浸かっている頃でしょうか。
箱根の夜は静かです。 昼間の賑やかさは、お日様と一緒にどこかへ消えてしまうようです。
夜ふと、何の音も聞こえないことに気がつくのです。 音がしないがために、聞こえない音に気づく、という方が正しいかもしれません。
ふっとしたとき、 何の音も聞こえない中に、風の音、葉っぱの揺れる音、冷蔵庫や電化製品の音が、深くしーんとする中に聞こえてくるのです。
誰もいない、という感覚。
今年の夏は台風が多く、雷もよく鳴りました。 台風の夜、人っ子ひとりいない山の中で、雷が光る。> 青むらさき色の中に、その一瞬だけ、木や建物が照らされる様子は、まるでホラー映画のワンシーンのようです。
取り残されたような怖さと、この美しさを自分ひとりで見ている、という優越感。
箱根の冬は今から厳しくなります。 寒がりの私にはつらい季節です。でも、冬のあの張りつめた空気に顔が触れた時の、しゃんとする気持ちは、なかなかいいものです。
寒くて寒くて、ストーブの前で小さくなって、ふと窓をあけた時に顔を刺す、あの冷気。
ベランダに出ると、白い息の中、満天の星とお月様。
「はあ」と寒さを忘れる瞬間。
夜中に起きだして出かける富士山の撮影は、ものすごく寒いのですが、なかなか味わえない感動が待っています。
暗闇の極寒の中で富士山は凛としたまま。まるで、その時間、自分だけがその自然の美しさを独り占めしているかのようです。
寒い寒い空気の中で、富士山を眺め大きな空間の中にぽかんと立っていると、幽体離脱でもしたみたいにミニチュアの自分を感じるのです。
私は写真家ではありませんが、写真家はこの気持ちを、自然からの恩恵を、全て一枚の写真に表現しようとするのでしょうか。その力が写真の力となるのでしょうか。
自然に挑んではいけない、と誰かの言葉を思い出しました。
自然の中に抱かれていればよい、と。
そういうものなのでしょうね。>
2004年のアカフジ日記は今回で最後です。
よいお年をお迎えださい。
2005年へつづく
文/ 詠
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遠藤 桂プロデュース期間限定バー&ラウンジ「蒼幻」が箱根ホテルにオープンします。
遠藤 桂の撮る富士、硝子屋PRATO PINOの灯とともに、幻想的な空間を演出します。
期間限定のオリジナルカクテルもご一緒にお楽しみください。
会期:2004年12月11日(土)〜2005年1月16日(日)
会場:箱根ホテル1F「イル・ラーゴ」
Open hours: 8:30-17:00 ラウンジ
17:00-23:00(22:30L.O) バー「蒼幻」
協力:銀座クライスラー 加賀谷治男
映像協力: 籔内佐斗司
タイトル;羯磨会(かつまえ)
制作著作;籔内佐斗司
映像制作;CAD CENTER