Vol.16
 夏。

海、スイカ、ひまわり、お祭り、花火。

昼間のうだるような暑さの慰めになる。

箱根のお祭りは、

7月31日(土)湖水祭・湖水まつり 、8月1日(日)御鎮座1247大祭 、

8月2日(月)御神幸祭 、 8月3日(火)駒形神社例祭 、宮ノ下・太閤ひょうたん祭

り、8月4日(水)湖尻龍神祭 、8月5日(水)鳥居焼まつり 、8月6日(金)&7日

(土)箱根園サマ−ナイトフェスタ 、8月10日(水)&11日(木)大平台温泉夏まつ

り、8月15日(日)宮城野夏まつり 、

8月15日(日)・16日(月)箱根強羅夏祭り 、

8月25日(水) 仙石原すすき祭り。。。。。

今年も沢山の避暑客で賑わいそうです。

 さて当館の一番身近な「箱根大文字焼」はというと、毎年、強羅温泉夏まつり最終日の8月16日に開催されてきました。箱根三大祭りの一つで明星ヶ岳の大文字が赤く染まり、山合に3000発もの花火が打ち上げられる様子は、見事なものです。

大文字といえば京都、と思う方が多いはず。精霊送りの意味を持つ盆行事の一形態の中でも東山如意ヶ嶽の「大文字」がもっともよく知られているので、送り火の代名詞になっています。

何故、箱根で大文字焼なのか、京都の真似なのか。。。

箱根大文字焼がはじまったのは、大正10年(1921)のことだそうです。

大正8年(1919)に強羅まで登山電車が通じるようになり、避暑客も増え、夏の楽しみを味わってもらおうと、開発を進めていた小田原電気鉄道(現・箱根登山)と地元の人たちが考え出したのが、京都の大文字焼に倣ったこの箱根大文字焼。

やはり京都を倣ったのがはじまりなんですね。

箱根大文字焼 
2003年箱根写真美術館屋上より(撮影:詠)

 

大文字焼全形

 避暑客のための催しだった花火でしたが大正12年(1923)関東大震災以降は、箱根全山の有縁無縁の精霊の冥福を祈って、うら盆の送り火としても行なわれるようになったのだとか。

私は京都の大文字焼をみたことがありませんが、箱根のそれとは形や、燃やす方法など随分異なっているそうです。以下、箱根町の公式ホームページ「箱根全山」の悠々ダイジェストより引用しますと…

『京都の大文字に倣ったとはいえ、京都と箱根では山の形状も大文字を燃やす方法もまったく異なる。

盆地を囲むなだらかな京都・東山如意ケ嶽に積み上げられた薪が描く文字は、ひと筆で書かれたように雅で優しい。

一方、箱根の明星ケ岳の天下の嶮そのものの急斜面に燃え上がる文字は、太く勇壮だ。

そしてよく見ると、それぞれの画は無数のタイマツの炎に囲まれ、それがダイナミックな大という文字を形作っている。その炎の下には、舞い落ちる火の粉を懸命に払いながら、しっかりとタイマツを握り締めている若者たちがいる。』

 ええっ?あの大文字が人文字だったとは。

火床へ点火されてると思っていました。

『第1回目から実行を委託されてきた宮城野青年会の若者たちだ。 彼らは、6月第1週目から毎週日曜日に1人約20キロの荷物を背負って険しい山に登り、陰もない灼熱の太陽の下、タイマツの材料となる篠竹(女竹)を刈り取ったり、乾燥させたりという準備に入る。

8月16日の当日は、重油なども加わり荷物の重さは40キロを超える。急斜面での作業は危険であり重労働だ。

しかし彼らは頑なまでに郷土の伝統文化を守り続けてきた。人々の喜ぶ顔、夜空を染める炎が宮城野っ子魂を燃やすのだ。祖父から父へ、そして息子へ。21世紀にもその伝統は受け継がれた。』

今年も花火は夏の夜空を彩ります。

見せる人々と見る人々。

花火は毎年自動的に上がるものでは無く、この伝統行事を次世代へとつなげようとする人々がいるのですね。

私を筆頭に、そんな当たり前のことを意識していない人がどれだけいるのでしょう。花火の鑑賞に、わざわざ裏側の仕掛けや努力を考え、感謝しなさいという必要はないけれど、自分の感動は、自分だけでは味わえないということを知ることは大切だと思います。お祭りに来て、街を汚したりする人は減るかもしれませんしね。

夏が来ます。

箱根大文字焼、もうすぐです。

 文・写真/ 詠

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