Vol.12

はるがくる

もうすぐ箱根にも春がやってきます。

強羅は標高約650mに位置し、湿気の多い箱根、雲の上での生活です。今年は雪も少なく、暖冬ではあったものの、やはり強羅の冬は厳しく…。

冬の間、植物は仮死状態になります。寒さから身を守る為に葉を落とします。

夜は室内でも温度管理をしていないと、0℃を下回りますので、寒さに弱い植物は茎が凍ってしまうものもあります。

一晩中暖房を付けっぱなしでは光熱費も莫大になってしまうので、植物に段ボールをかけてみたりもしましたが、厳しい寒さです。

私たちはお布団という素晴らしい文明の中で生きているんだと、改めて感じ入ります。

 下界では、梅が満開になり沈丁花の香りが漂っています。

そして、やっと箱根写真美術館の小さな庭にも、春が…。

美術館にクリスマスローズが咲き始めた頃。

(※クリスマスローズは温度管理をしてちょうどクリスマスに花が咲くように出荷されていますが、実際は2月中ごろから花を咲かせます)

最近仲良くなった菜々ちゃんという小さなお友達と一緒に外で遊んでいると、毎日歩いている砂利道の下に新芽が沢山出ていることを発見しました。

新芽ならではの初々しいグリーンの先っぽが、土から顔を覗かせているのです。

思わず二人で「わあ、かわいいねえ!!」

まだまだ寒いと思っていたので、驚きでした。

 今度は「発見遊び」に夢中になると、あちらこちらに春が顔を出していることに気付きます。一年前に花を咲かせたチューリップも芽が出始めていました。

色を変え、静かだったミニバラの木からも新芽がたくさん吹き始めていました。長らくつぼみのまま、咲かなかった花もゆっくりと花びらを開き始めていました。

すごい。植物の逞しい命のパワーに圧倒されました。

こんなに小さくて可愛らしい新芽の中に、強い「意志」と「可能性」を持っているような気さえします。

はるがくる

お布団でぬくぬくするのも幸せだけれど、新芽のように強く新しい力を持って春を迎えようと、まだまだ寒さに震える夜に思うのでした。

文/写真・詠

箱根写真美術館が出来上がるまでの様子

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