Vol.18 ハチのいる風景

 

わが美術館の庭に一匹のハチが来ました。

前から密を吸いには来ていたのでしたが、夏はちょっと要注意です。

遠くから観察していると、少し古くなった簾にとまって、懸命に何か作業している様子。

ちょうど巣作りの時期でしたので、もしやそこに巣を作る気?!と少し気持ちは戦闘体制へ。

しばらく、一箇所で作業してるなあ、と思ったら、ふらりと飛んで行きました。

後をつけてみると、ありました。

そうか、うちの簾の木屑は巣の材料になっていたのか。

お隣さんの軒の下に小さな巣が二つ。

一つには2匹のハチ。もう一方には3匹のハチ。

困ったな、早く取らなくては。

ハチが来るのも恐いですし、せっかく一生懸命作ってるのを途中で壊すなら早い方がまだ親切だろう、と。。。

私は元来、虫嫌いで、特に飛ぶ種類のものは蝶であっても大嫌いでした。

とはいえ、箱根は自然とともに虫も多く、だんだん慣れてきたものの。

やっぱりここは館長に頼もう。(?)

一撃必殺で二つの巣は無くなりました。哀れなハチ、と思ったのもつかの間、なんと、

今度は二つの巣を作っていたハチ達が、協力しあって、ひとつの巣を作りはじめていたのです!

ハチも一回壊されてしまったので、大急ぎです。

間に合わないよ〜、と前回以上に張り切っています。

しかも一箇所に5匹、さらに増えて10匹程度が、ずっと巣にくっついているのです

から、巣はみるみるうちに大きくなる様子で、退治するのも専門科を呼ばなくてはいけないか、と思案しつつ、

ハチも住まわせてもらってることを、よく知っているようで、

悪い事もしないのでそのまま、なんとなく御近所に暮らしていました。

と、先日のこと。ふと巣を見たら誰もいません。ああ、そうか。もう巣立ったのです。

安堵の気持ちと、ほんの少しの寂しいような、ちょっとした親心を体験したのでした。

夏が終わり、ハチの姿も見えなくなってきた今日、忘れかけていた存在が、再び。。。

しかも!これはどういうことでしょう。

もう巣作り、巣立ちの時期は過ぎ、ハチの姿も少なくなったというのに。

家の中、天井にハチが集まっているではないですか?!寝てるのか、あまり動かず、ただ集団なのです。

これは恐ろしい発見をしたものです。

この部屋は網戸がないのですが、日中は換気のため窓を開放しており、

今は納戸として使っているので、そんなに人の出入りはありません。

それにしても、昨日の晩も窓を閉めに来たのに、全く気が付きませんでした。

考えると恐ろしい、知らぬが仏、です。

今はただ、出て行ってくれるのを願うばかりです。

きっと、もう少ししたら起きて出かけるよ。今はちょっと寝てるだけ。

外界への窓を開け、屋内に通ずるドアを閉め、「ハチさんお願いね、次ドアを開けたら居なくなってますように」

虫達との共存も結局は私の方が肩身が狭く、やや気疲れの日々なのです。

感謝すべき恵みはあれど、、、というところでしょうか。

                                            文/詠

巣立っていった蜂の巣
(撮影:詠)

箱根写真美術館が出来上がるまでの様子

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