Vol.22
 新しい年を迎えました。今年は酉年。

大空にはばたくような一年がはじまりますように…。

お正月。

箱根はお正月といえば、箱根駅伝。ご覧になった方も多いと思います。

箱根は年末年始はかき入れ時です。

観光地はどこでもそうだと思いますが、通常の町ののんびりしたお正月ということはありません。

それはそれで、楽しいお正月です。

当館も年末年始は開館していました。それでもやはり「お正月らしい」ことがしたいなあ、と思います。

私は幼い頃から祖父母と一緒に暮らしていたので、実年齢よりも古くさい人間なのでしょう。

「おせち」と「お雑煮」をつくり、祝い箸を用意し、元旦にはお風呂も入らず2日に朝風呂。(これは私の実家が横着しただけかもしれませんが)

最近は各地で元旦や2日から営業しているお店も少なくなく、便利になってきたのですが…。

私は最近、便利を求めすぎて、つまらなくなってることが多いなあ、と感じます。

日本は高度成長期から「働き者の日本人」として、頑張ってきたのでしょう。

私はその時代を知りません。

でも、お正月だけは、家族みなで集まり、新年を祝い、お母さんも家事におわれることなく過ごしたのではないでしょうか。

私が子供の頃、せっかくの休みにお店や遊園地などが開いてなくて、もらったばかりのお年玉も使えず、お友達とも遊べず、退屈に思ったのを覚えています。

おせち料理なんて嫌いなものばかりで、初詣のときに食べれるお団子が嬉しかった。

今思えば、それで良かったと思うのです。

嫌いなおせちも、蓮根を食べると「先が見通せるようになる」とか、海老を食べると「長生きできる」とか言われ、それを信じて嫌々食べました。

仕方がないので、家族で近所の公園に行ったり、カルタや百人一首をしたり、我が家ではおじいちゃんの好きな麻雀をして遊んだり。

公園にいくと、着物を来てる人が沢山いました。凧揚げも普通に行われていました。お正月だけは、夜更かしさせてもらったり、朝寝坊できたり、特別がいっぱいあったように思うのです。

箱根神社の鳥居

 

箱根神社にて

便利になることは決して悪いことではないと思います。

でも、少しの不便や不自由があるほど、人は考えて工夫して、その不足を補おうとするのではないでしょうか。それが倍の喜びや楽しさを見いだすことだってあるでしょうし、「特別な日」やその季節を待ち望むことだってできます。

これから、色々な便利なものが開発される中で、

「誰か、少しは開発しないで、残しておいて」と思うのです。

楽しく暮らすことは、素敵なことですが、

自由も平等も便利も快適も、ほどほどでないと、

何が楽しいことか、分からなくなってしまいます。

我が美術館は、零細企業だけあってそんなに便利にはできていません。

その分、ちょっとの工夫や気遣いや、人の助けが必要になると思います。

でもどこよりも、誰よりも楽しめる、と自負しています。

今年も楽しいこと、素敵なこと、見つけていきたいと思います。

不足の多い私共ではございますが、今年もどうぞよろしくお付き合いくださいませ。  

文と写真/詠

箱根写真美術館が出来上がるまでの様子

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