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漆の多用椀「合鹿椀(ごうろくわん)」と「フォーク・スプーン」
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かつて日本を代表した工芸素材の漆でしたが、生活様式の変化や合成樹脂の普及などが原因となって、いまやどこの漆器産地も、風前の灯火と聞きます。それは日本人のふだんの暮らしのなかから雑器としての漆器が消えてしまったからにほかなりません。漆器を、高価なもの特別なもの、取り扱いの難しいものという観念を植え付けてしまった生産者や流通業者の責任も大きいと思います。でも漆器の感触は、私たちの生活から決して失いたくないもののひとつです。
日本料理を味わうとき、漆器が持っている口当りと微かな香りがもたらす相乗効果は不可欠です。また、基本的な扱いさえ間違わなければ、漆器はとても丈夫なものです。その扱いを覚えるのは、子どもの時から使うのが一番。学校でも給食の食器やお弁当箱に、ほんものの堅牢な漆器を取り入れるべきだと思います。
最近は、デザインや仕上げが丁寧な、しかも丈夫で安価な中国製の漆器が輸入されるようになりました。子ども達に思う存分使ってもらいたいものです。また病院や介護施設などの入院患者さんたちにも、味気ないまがいものではなく、ほんものの漆器を使って食事ができるようになればいいなあと願っています。 そして日本人の暮らしに漆器が戻ってきて、利用者の裾野がひろがれば、きっと日本の漆器産業も活気づくことになるでしょう。 ここでご紹介する輪島塗の丈夫な「合鹿椀(ごうろくわん)」は、加賀の観光名所「うるし蔵」の和食レストランで実際に使われているものです。その頑丈さと使い良さはプロの現場で実証済み。もちろんお値段も、材料や品質を考えれば、リーズナブル。 漆塗りスプーンでカレーを食べると、びっくりするほど味が引き立ちます。食器の口当りが、料理にこんなに影響するものかと新しい発見です。漆塗りのフォークで味わうスパゲッティもぜひお試しあれ。こちらはいずれも中国製。 |
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